人間らしく生きるために 社会と人間の根本を学ぶ

2017年度・勤労協 「鯵坂ゼミナール」 【『精神現象学』出版210年】ヘーゲル『精神現象学』序論 を読む

  • HOME »
  • アーカイブ »
  • 2017年度・勤労協 「鯵坂ゼミナール」 【『精神現象学』出版210年】ヘーゲル『精神現象学』序論 を読む

2017年度・勤労協 「鯵坂ゼミナール」
【『精神現象学』出版210年】ヘーゲル『精神現象学』序論 を読む
――「ヘーゲル現象学……これこそヘーゲル哲学の真の生誕地であり秘密である。」
(カール・マルクス『経済学・哲学手稿』より)
講師=鯵坂 真(関西大学名誉教授)

2017年度の哲学ゼミナールは、久しぶりでヘーゲルの著書を読みたいと思います。ヘーゲルの最初の著作『精神現象学』(1807年)の「序論」を詳細に読むことにします。ヘーゲル(1770~1831年)の哲学は、「マルクス主義の3つの源泉」の一つといわれる「ドイツ古典哲学」(カント、フィヒテ、シェリング、ヘーゲル)の頂点に位置する哲学であることは良く知られているところです。若いマルクスは、ヘーゲルが教授をしていたベルリン大学の哲学科で学びました。しかし彼が入学した時には、ヘーゲルは既に他界していましたから、直接ヘーゲルから学ぶことは出来なかったのですが、ベルリン大学にはヘーゲルの弟子たちが多く在職していましたから、これらのいわゆるヘーゲル学派の雰囲気の中で、マルクスは学者としての自己形成をしていきました。マルクスはヘーゲル哲学の積極的要素(特に弁証法の要素)を承け継ぎ、同時にその観念論としての限界を乗り越えて、自己の哲学的基礎を作り上げました。その際、ヘーゲルの『論理学』とともに、『精神現象学』を重視しました。若いマルクスの有名な著作である『経済学・哲学手稿』の最後の部分に「ヘーゲル弁証法および哲学一般の批判」という章がありますが、その最終部分が、ヘーゲル『精神現象学』についてのマルクスのノートです。「国民文庫版」で210ページから241ページですが、その中で次の文章が特に有名です。
「ヘーゲル精神現象学と、その終極成果――運動させ産出する原理としての否定性の弁証法――とにおける偉大なるものは、……ヘーゲルが人間の自己産出を一つの過程としてとらえ、対象化を対象性剥奪として、外化として、およびこの外化の止揚としてとらえるということ、したがって彼が労働の本質をとらえ、対象的な人間を、現実的なるがゆえに真なる人間を、人間自身の労働の成果として理解するということである。」
この文章は極めて有名な文章ですが、難解で、その解釈を巡って様々な議論を呼んでいる文章です。ともあれ、マルクスが『精神現象学』を如何に重視していたかを示す文章です。
このヘーゲル『精神現象学』は難解であるだけでなく、極めて大部なものなので、これを10回のゼミナールで読むことは無理ですから、その「序論」の部分を読むことにしようと思います。「序論」といっても原書で50ページ以上もあり、独立の「哲学概論」といってもいい内容のもので、内容的にもヘーゲル哲学の方法論の原理的解説でもあります。これを詳細に読んでいきたいと思います。
そこにはヘーゲルが当時の進歩主義であった「啓蒙主義」と、その反動であった「ロマン主義」との狭間で悪戦苦闘しながら、哲学的には、カントやフィヒテの哲学に学びながら、その限界を乗り越えようとし、同時に当時優れた才能を持ち、カント哲学を克服しようとして、ロマン主義に傾いていた同級生シェリングの思想とも格闘していたヘーゲルの姿を如実にうかがうことが出来ます。その状況は21世紀の私たちの当面する思想状況とよく似た構図とも言え、興味あるところです。そのあたりの現代的な状況も意識しながら学習したいと思います。テキストは関西勤労協が樫山欽四郎訳を元にして、小見出しを入れたものを製作します。多くの方々が参加して下さることを期待しております。
鯵坂 真

■ 講義日程(予定)とテーマ
①  8月 6日(日) ヘーゲル『精神現象学』とはどんな著作か
②  9月 3日(日) 若きマルクスと『精神現象学』
③ 10月 1日(日) 現代哲学の課題―体系的認識について
④ 11月 5日(日) 認識についての図式主義・形式主義の批判
⑤ 12月 3日(日) 「実体は主体である」ということ
⑥  1月 7日(日) 概念的把握について
⑦  2月 4日(日) 真理とは何か、虚偽とは何か
⑧  3月 4日(日) 歴史的真理と数学的真理
⑨  4月 1日(日) 否定的態度と肯定的態度
⑩  5月 6日(日) 健全な常識と哲学的思索

■ 期  間 8月6日(日)~18年5月6日(日)、月1回・第1日曜日、全10回
講義時間=午後1時30分~4時30分
■ 講  師 鯵坂 真(関西大学名誉教授/関西勤労協副会長)
■ 会  場 関西勤労協会議室(JR・地下鉄「森ノ宮」駅下車、西へ徒歩2分、ICB森ノ宮ビル4階)
■ テキスト ヘーゲル『精神現象学』序論【勤労協特製版】(非売品)

アーカイブ

お問い合わせ TEL 06-6943-1451

アーカイブ

勤労協のイベント

  • facebook
関西勤労者教育協会
大阪市中央区森ノ宮中央1-14-17
ICB森ノ宮ビル402号
電話:06-6943-1451
FAX:06-6942-3923
MAIL:morikin@helen.ocn.ne.jp勤労協地図220”width=
Copyright © 関西勤労者教育協会 All Rights Reserved.
Powered by WordPress & BizVektor Theme by Vektor,Inc. technology.