日程:2024年9/7(土)~2025年8/2(土)

毎月第1土曜日・全10回(1月5月は休み)

時間:午後2~4時

講師:長澤高明(関西勤労協副会長・立命館大学非常勤講師)

会場:関西勤労協(森ノ宮)

受講形態:会場・WEB録画配信・DVD

① 9月7日(土) 政治学への道案内
 「政治」とは何か。「政治学」とはどういうものか。マルクス主義政治学と近代(現代)政治学。
② 10月 5日(土) 権力と支配
 「権威なき権力」と「権力なき権威」。なぜ、人は人を支配できるのか。なぜ、多数者が少数者に従うのか。
③ 11月 2日(土) リーダーシップ
 リーダーシップと支配はどう違う? 政治指導と政治的強制はどう違う? 「エリートと大衆」という図式。
④ 12月 7日(土) 民主主義
 民主主義における「エリートと大衆」? 民主主義は「最高にして最悪の制度」? 参加民主主義と観客民主主義。デモクラシーと「自由」がなぜ同時に語られる?
⑤ 2月 1日(土) 政治制度の類型
 首相と大統領はどう違う? 「日本で大統領制が採用されるときは天皇という制度が無くなるとき」って、どういうこと? 
⑥ 3月 1日(土) 選挙と政党
 選挙の仕組みには仕掛けがある。選挙の種類と組み合わせにはパターンがある。選挙の仕組みが政党のありかたを規定する?
⑦ 4月 5日(土) 公共政策
 「公共」とは何を指している? 誰のための政策? 社会運動が公共政策を左右する? 時の「支配勢力」はなぜ「公共」という言葉を使いたがる?
⑧ 6月 7日(土) 国会と官僚
 国会の仕組み。官僚の権力。国会議員と官僚の関係。
⑨ 7月 5日(土) 政府とは何か
 「大きな政府」と「小さな政府」。それぞれの「政府」は何をめざす? 「政府」の規模と「福祉国家」の関係。
⑩ 8月 2日(土) 左派と右派。左翼と右翼
 わかっているようで、よくわからない区別。左派と左翼、右派と右翼はどう違う? さまざまな「○○主義」のなかの左派と右派。保守と革新。

 いきなりですが、私が中学生だった時の体験談をひとつ。

 数学の教師が「この図形の面積を求めるためには、ここに補助線を引くといいよ」と教えてくれました。すると、いままでできなかった計算があっという間にできるようになったのです。私は教師に尋ねました。「先生、補助線を引くことの意味は分かりました。でも、なぜここに補助線を引けばよいということがわかるのですか?」しばらく考えていた教師はポツリと言いました。「勘やな」。「ええっ、勘かよ」。

 その時は、この答えにがっかりしたのですが、しかし、よく考えてみるとこの教師の答えは正しいのです。どこに補助線を引けばよいのかという「勘」を養うことが大事なのです。

 この話を「政治の世界」に置き換えて考えてみましょう。

 政治の世界は図形に比べると非常に複雑ですから、「ここに一本だけ補助線を引けばうまくいく」なんてことはないのですが、補助線を(何本か)引かなければうまく理解できないのは確かです。この補助線は基礎的な知識だけで引けることもあれば、かなり高等な政治理論を身に着けていなければ引けない場合もあります。また、いわゆる「マルクス主義政治学」と「近代(現代)政治学」とでは、補助線の形や引き方が異なります。

 基礎知識があって、かつ政治理論を身につけていれば、その現象が現れる原因にまでさかのぼっていって、「なるほど、だからこういう現象になるのか」ということがわかります。今までモヤモヤしていた現象の輪郭がクッキリと浮かび上がってきます。

 基礎知識があり、かつ政治理論を学んだ人はそれらを直観的に理解することができます。こういう人の「勘」はたいてい正しいですが、そうでない人の「勘」はたいてい間違っています(皆さんはここで、「正しい」とか「間違っている」という言葉の意味を考えてみてください。これについては第一回の講義で取り上げます)。

 メディアはさまざまな政治現象を報道しますが、なぜそのような現象が生じたのかということは、なかなか説明してくれません。説明する力がないのかも知れません。しかし(だからこそ、というべきでしょうか)、基礎知識や政治理論を身につけることができれば、今まで以上に政治現象を理解できるようになるはずです。今まで以上に「勘」が働くようになるはずです。

 第1期のゼミナールでも基礎知識について説明しましたが、今回の講義ではそれとは別の角度・別の対象について説明します。ですから、第1期を受講された方も、よろしければどうぞ。テキストは使用せず、毎回レジュメをお配りします。

 では、第6期でお会いできることを楽しみにしています。

                                   長澤高明